先天性股関節脱臼の減少は、小児整形外科の先生方のご指導も然ることながら、日本が戦後20年経って豊かになり、妊婦さんの生活環境が良くなったための自然減少によるところが大きい。
と言う見解は初めてで驚きましたが、
妊婦さんが十分な栄養を摂取できるようになり体格が良くなった。
→ 大きな骨盤、大きな子宮になりました。
妊婦さんの労働が減った。
→ 腹帯をして出産直前まで働くことが無くなり、子宮内のストレスが減りました。
妊婦さんがいろいろな方法で安産に向けて運動をするようになった。
→ 胎
児も子宮内で活発に動けるようになりました。
お 母さんが運動すると胎児も子宮の中で良く運動して心拍数が上がり、神経系、運動器系の発達を促進するそうです。赤ちゃんは、よく動き回れるので上手に手足をたたみこんで頭を下に向けて落ち着くことが出来るようになります。これが正常分娩につながり、股関節脱臼の予防になる・・・というわけです。
また、出生
後の育児環境の改善もポイントです。
暖房や住環境の改善は厚着とぐるぐる巻きの衣服の改善につながりました。
『新生児は四足獣である(腰椎は後湾を呈し、主たる関節は軽度に屈曲し拘縮している)』
つまり、厚着やぐるぐる巻きにされ、自由に動けずにまっすぐに伸ばされているのは赤ちゃんにとって非常に不自然なわけで、関節は自然と外れやすくなり、脱臼につながりやすくなっていたのです。
一番良いのは はだか育児! だそうですよ。
確かに、はだかんぼうの赤ちゃんは気持ち良さそうですが、生まれたての赤ちゃんは、何か掛けてあげないと不安がりますよね。上手に抱っこしてあげればいいのかなあ。
今回の講演の世話人であるおじじいちゃん先生は、ベビースリングが良くない!!ということを声を大にして言っています。偉い先生だから影響力があるようです。
講演の先生も一言触れました。「最近になってまた、股関節脱臼が増えてきたようですが、ベビースリングですか?タスキにして赤ちゃんを入れて抱っこするのが流行っているようですが、あれは良くないですね~」ちらりとおじじいちゃん先生のところを覗き見たかも知れません。
講演の後の質問では、小児科の先生方から、健診で股関節のチェックをする場合のコツは?とか、重要なポイントは?とか、どうやって判断したら良いのか???というような不安の声がたくさん挙がりました。
講演の先生に助けを求められて、おじじいちゃん先生が回答をしました。不安があったら迷わず整形外科に任せてください。とも言っていました。そういえば、周りはほとんどがお医者さん。小児科のお医者さんだったかもしれません。
死ぬ前に一つぐらい良い事をしたい・・・と言っていたおじじいちゃん先生ですが、他の先生方に頼られてたいしたものです。それがわかって、とても面白い講演会でした。